気管支喘息とは

気管支喘息(きかんしぜんそく)とは、細菌・ウィルス感染やアレルギー反応などが発端となって気管支の炎症が起こり、それが慢性化することによって気道過敏性の亢進や可逆性の気道狭窄を起こし、発作的な咳や喘鳴などの症状をきたす呼吸器疾患のことです。喘息発作の際には咳や喘鳴などの症状が特に激しく現れ、呼吸困難や過呼吸、酸欠、体力の激しい消耗などを伴い、死(喘息死)に至ることもあります。通常、「喘息」あるいは「ぜんそく」と言えば、気管支喘息のことを指すのが一般的です。
尚、うっ血性心不全によって喘鳴や呼吸困難などの気管支喘息に類似した症状がみられることがあります。この場合、心臓喘息と呼ばれることがありますが、気管支喘息とは異なる病態です。
喘息の予防や管理については、日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会監修の『喘息予防・管理ガイドライン2006』があります。

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気管支喘息の分類

気管支喘息は、大きく分類するとアトピー型、非アトピー型の2型に分けられます。
アトピー型は幼児期に発症することが多く、非アトピー型は40歳以上の成人に発症するケースが多くみられます。
アトピー型の原因は、I型アレルギーによって化学伝達物質が発生するためで、細菌・ウイルス感染や埃・ダニ・花粉・カビ・食物・薬物などのアレルゲン、精神的要因などが誘因です。
小児喘息においてダニが気管支喘息を悪化させると言われていましたが、掃除でダニを完全に排除することは不可能であり、現在は通常の掃除と同じで良いとされています。
一方、非アトピー型の気管支喘息の病態生理は未だ解明されていません。
気管支喘息の亜型には、アスピリンなどの非ステロイド系抗炎症薬によって鼻汁過多、鼻閉、喘息発作が起こる「アスピリン喘息」や8週間以上咳が続く「咳喘息」があります。
特殊な喘息としては、四大公害病の一つである「四日市喘息(よっかいち-ぜんそく)」が有名で、硫黄酸化物(SOx)による大気汚染が原因です。

喘息の治療

喘息の治療は薬物治療が中心となります。
以前は、喘息の薬剤治療といえば、発作を気管支拡張薬で抑える「発作治療薬」が中心でしたが、最近では、気道の炎症を抑えて発作を予防する「長期管理薬」が中心になっています。
予防治療薬である長期管理薬には吸入ステロイド薬と抗アレルギー薬がありますが、抗炎症作用が強力で、しかも副作用の少ない吸入ステロイド薬が最も重要な基本薬剤です。
但し、小児の場合には抗アレルギー薬が効果を発揮することがあります。
気管支拡張薬には、発作の治療に使用する短時間作動型と発作のコントロールを目的とする長時間作動型があります。
重症度によって、吸入ステロイドの増量、経口ステロイド、長時間作動型β2刺激薬(吸入薬・貼り薬)、抗アレルギー薬、抗コリン剤などを併用します。
尚、発作が激しい場合は気管支拡張薬とともに経口ステロイドやステロイド剤の点滴(全身性ステロイド薬)を併用しますが、副作用を考慮して短期間に留める必要があります。

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